安楽寺の歴史

北潟湖を望み、豊かな自然に囲まれた
歴史ある寺、安楽寺

天王山安楽寺は、自然豊かな北潟湖のほとり、集落から少しのぼった高台にあります。お寺の縁起は養老2年(718年)、泰澄大師(たいちょうだいし)の創建と伝わり、高野山真言宗のお寺です。境内には、体高約3メートルの金剛力士像があり、福井県の県指定彫刻文化財となっております。また、近隣には明治時代から続く芦原(あわら)温泉街があり、2024年春には北陸新幹線「芦原温泉駅」が開業予定。安楽寺の最寄りの駅となります。

安楽寺の取り組み

既存の枠組みにとらわれず、
安楽寺の魅力を伝える活動に取り組む

福井県あわら市の中でも北に位置する北潟地域にある安楽寺。地域の中心に建ち、北潟祭の会場にもなります。杉本成範さんは、4年前に安楽寺住職に就任。現状の檀家制度に頼り切りになるのではなく、10年後の安楽寺の姿を考え、取り組みを行っております。保護猫活動や、宿坊(しゅくぼう)の拡充、SNSによる毎朝のお勤めの配信など、安楽寺の魅力を伝える活動を欠かしません。地元の方々との繋がりを大切にしながら、広く皆に愛されるお寺になるため日夜奮闘しております。

住職の想い

住職の杉本成範さんにお話をお聞きしました。

住職インタビュー:杉本成範住職

着用している輪袈裟(わげさ)は、SDGsやLGBTQ+の象徴でもある七色のもの。

豊かな自然に囲まれ、深い歴史を持つ安楽寺

──安楽寺の歴史について教えてください。

安楽寺は真言宗の寺ですが、縁起は真言宗の宗祖である空海が唐から密教文化を日本に持ち帰るより前の時代に遡ります。この地域に泰澄大師(たいちょうだいし)という修験者がおりました。富士山・立山とともに日本三霊山である白山。その白山を開き山岳信仰を広めた方です。言い伝えによると、泰澄大師が白山の山頂から西北の方角を見ると、湖の上に紫色の雲がたなびいていたそうです。そこで、その方向へと山を下ると一人の老翁が現れ、「自分は北天の守護の祇園牛頭天王(ぎおんごずてんのう)である」と名乗り、この世で迷っている生命あるもの全てを苦しみから救い出し、悟りの世界へ導くために寺を建立するように勧め、姿を消したそうです。その後、泰澄大師が薬師如来像をこの地に納めたのが安楽寺の始まりだとされています。

住職インタビュー:境内にはあわら市指定天然記念物の樹齢300年以上の銀杏の大木がそびえ立っている。まっすぐに伸びる佇まいは安楽寺を見守ってきた門番のよう。

境内にはあわら市指定天然記念物の樹齢300年以上の銀杏の大木がそびえ立っている。まっすぐに伸びる佇まいは安楽寺を見守ってきた門番のよう。

──お寺がある福井県あわら市は、明治から続く芦原(あわら)温泉街があり、特に北潟のあたりは湖や海での漁業が盛んな地域だったと伺いました。

芦原温泉は温泉街としては比較的歴史は浅いのですが、明治16年から現在まで続いております。安楽寺がある一帯はあわら市の中でも北に位置する北潟地域といわれ、昔から住んでいる方々はこの地域に愛着を持っています。また、江戸時代中頃から明治30年代にかけて、隣接する三国港は北前船(きたまえぶね)が寄港する場所でした。北前船とは大坂から蝦夷地(現在の北海道)へ日本海を経由し、商品を売買しながら貿易交流を行っていた船です。明治時代には北潟地域から開拓民として北海道利尻島に向かう方も多くいらっしゃったそうです。北潟地域は港町と隣接していたので、外からの新しいものを受け入れる文化が昔から存在していたのかもしれません。

住職インタビュー:坊守のあきさんと杉本住職の二人三脚で寺の運営を行っている。

坊守のあきさんと杉本住職の二人三脚で寺の運営を行っている。

地域の繋がりを大切にしながら、
かつて寺が担っていた「公共」のための活動に取り組む

──現在のお寺の取り組みについて教えてください。

安楽寺は北潟地域の中心に建ち、歴史も古いため、地域の方々みんなが知っているお寺です。実は、私が住職に就任して最初にまずやったことは境内の木を自ら切ることでした。鬱蒼とした林に日の光が入り、とても明るい雰囲気になりました。こども園と小学校が近くにあるので、地元の方々に喜んで欲しかった気持ちがあります。加えて、「これからお寺が変わっていくんだよ」ということを見て感じてほしかったのです。また、お寺の魅力や役割を外に伝える様々な活動も行っております。特に力を入れているのが保護猫活動です。きっかけは檀家さんからご相談を受け、1匹の猫を寺で飼い始めたことでした。そこで、猫(にゃんこ)と安楽寺をかけて、「にゃんらく寺」というキャッチコピーと共に活動をS N Sで発信したところ、全国の方々から温かいご支援や応援の言葉をいただきました。2023年12月現在、13匹の保護猫をお寺で育てながら里親さん探しをしています。また、ご相談を受けてご訪問させていただいたり、自治体との連携も行ったりなど、寺の中だけではなく外での活動の場を広げているところです。加えて、宿坊(しゅくぼう)を充実させております。元々宿坊とは、僧侶や参拝者が泊まるためのものでしたが、お寺を知ってもらうための活動の一環として宿坊を営む寺が全国各地に増えております。安楽寺の周辺は自然が多く、人やモノで溢れかえる都市とは違う落ち着いた雰囲気で自分と向き合う時間が過ごせると、遠方からもお客様がいらっしゃいます。

私は人口減少をはじめとした昨今の日本の様子を見ていると、現在の寺の檀家制度の維持は難しいと感じております。では、寺はこれから何をすべきかを考えた時、「そもそも寺は何のためにあるのか」というところへ原点回帰をしなければならないと思うのです。かつて寺は「公共」のためにありました。日常の中で困った時や悩んだ時に気軽に寄れる場所であったり、逆に寺から地域や社会のためにこういうことしませんかと提案したり…。寺が社会から必要とされ続けるため、そういった機能を少しずつ取り戻すために様々な活動を行っています。

住職インタビュー:保護猫の「ここあ」ちゃんと。保護猫活動を通して、寺の中にいるだけではできない様々な繋がりができているとのこと。

保護猫の「ここあ」ちゃんと。保護猫活動を通して、寺の中にいるだけではできない様々な繋がりができているとのこと。

悩みの多い時代、
様々な人が相談できる場所をつくっていく

──樹木葬を考えている方へのメッセージをお願いします。

樹木葬のお墓がある場所はちょうど北潟湖から風が吹き抜けるところでして、気持ちよくお参りできるのではないかと思っております。また、2020年11月から毎朝、欠かさずにお勤めの様子をS N Sで配信させていただいております。頻繁にお参りできない方も、配信に来てくだされば、寺の様子がわかるようにしておりますので、安心してお任せいただけるのではないかと思っております。最近、私は保護猫活動で、寺の外で困ったり悩んだりしている方のお話を聞くことが増えました。その中で感じるのは「多様化」が叫ばれる今の時代は逆に言うと、悩みが増える時代だということ。以前は白か黒かで済んでいた話にも「これもありだよね」と様々な選択肢が出てきていることで、答えがない問題を考え抜く力が試されているのだと思います。そういった時代に仏教者ができることは、現代に合わせた言葉や行動で示すことだと私は考えております。S N S等で気軽に相談できる場所を用意しておりますので、ぜひお話に来てくださればと思います。

朝のお勤め配信は毎日行われ、Facebookから見ることができる。

朝のお勤め配信は毎日行われ、Facebookから見ることができる。
杉本住職Facebook:https://www.facebook.com/shigenori.sugimoto.3
杉本住職は、近隣の長楽寺の住職も兼ねています。そのため、長楽寺から配信を行うこともあり、穏やかな若狭湾と朝陽が見られると好評です。

住職インタビュー:境内イメージ

杉本住職、お話ありがとうございました。

交通案内

天王山安楽寺ガーデニング墓niwabo™

〒910-4272 福井県あわら市北潟42−12−2

電車でお越しの方
  • JR北陸本線「芦原温泉駅」から車で12分
  • えちぜん鉄道三国芦原線「あわら湯のまち駅」から車で11分
お車でお越しの方
  • 無料駐車場があります
  • 北陸自動車道「金津I.C.」から車で15分
  • あわら温泉街から国道305号線を北潟方面へ。「きららの丘」を越えて5分

安楽寺のガーデニング墓

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