長明寺の歴史
創建から400年、初音の森の名残を残すお寺
長明寺は慶長十四年(1609年)、徳川家の麾下である志村八兵衛が関ヶ原の戦いで戦死した部下を弔うため、在天院日長上人を招き、武蔵国豊嶋郡谷中村(現地)に開山したと寺伝に残されています。かつては近くに愛染川が流れ蛍の名所だったことから、「蛍沢の寺」と親しまれてきました。また、長明寺を含む一帯が「初音の森(年初に鶯が初鳴きをする声が聞こえることから)」と呼ばれ、今も境内地にその緑を多く残すことから、初音の森の名残を残すお寺とも呼ばれています。現在は木内隆志住職が23代目住職を務めています。
長明寺の活動
地域に根ざしたお寺として
23区内で交通の便も良く、それでいて緑を多く残し、古い建築物が多く残る谷中–と聞くと響きはいいですが、だからこそ防災上危険な面もあると木内住職は言います。木造建築が密集し細い通路が多いため、火災が起きれば瞬く間に広がってしまう。そこで、2014年には境内外周道路である七面坂の拡幅を行いました。「自然災害の多い日本で、何かあった時にできる限り守れるだけの努力はしたい。一人では無理でも、地域の行政とタイアップして防災強化をするれば、地域にも貢献できるし、それがこのお寺を守ることにも繋がっていくと考えています」と木内住職は語ります。
住職の想い
長明寺や住職ご自身の活動について、運営チームがインタビューしました!
長明寺の木内隆志住職
Q:長明寺で心掛けていることはなにかありますか?
「ここへ来てよかった」とまず思っていただくことを心がけています。その一つとして、常にこのお寺をきれいに清めている。例えば境内に桜の木があるんですけれども、葉が落ちるし花びらが落ちる。風が強ければ枯葉が飛んでいく。でも最初の朝の段階では綺麗にしている。それは何でかと言うと、生活感を感じないようにと考えてのことですね。生活感があると、自分の家の延長になってしまう。お寺は、御本尊様に問いかけたり、報告をしたり、ここに埋葬されて眠られている仏様と会話しにくるところなんです。そういうところが自宅の延長のような雰囲気であった場合、その気持ちはどうなるんでしょう、と私は思うんですよね。ですからやはり異次元の世界というほどではなくても、普通の生活感を感じない、常に綺麗に整った–できる範囲でですけれど–そういうようなお寺に常にしていたいなというのが私の考えです。
Q:他のお寺にはない、長明寺の特徴はなんですか?
このお寺のロケーションでしょうか。谷中という寺町(お寺が集まった町)にあるということ、そして日暮里、千駄木の駅からも遠くない。上野までは約10分ほどで行けるし、 東京駅も地下鉄に乗れば約20分で行けます。それでこれだけ緑の多いエリアというのは、とても貴重だなと思っています。谷中は江戸時代に区画整理や都市計画で別の地区からお寺が集まって来て寺町が形成されたのですが、長明寺は創建時の1609年、400年前からこの場所にあるんですね。だからこれだけ広い土地があるというわけです。
Q:お寺で取り組んでいることや活動されていることはありますか?
活動と言えるかどうかわからないのですが……宿命というか使命のように感じているのは、このお寺を整えて次に引き継ぐというのが私のやるべきことなのかなと。そういう星の下に生まれたのかな、というような気はします。 私が住職になって、新客殿を建てて本堂も建て替えて、山門の工事もして、しょっちゅう工事をやっているんです。見た目は丈夫そうに見えるかもしれませんが、古い建物だったので耐震性能が悪いんです。もしお檀家さんやお参りの方がいらしている時に何か災害が起こったとしても、その人たちを守れるようにと思い、建て替えや工事をして来ました。夕やけだんだんの横の七面坂も、昔はもっと狭かったんです。でも古い建造物が密集していて細い道の多いこのエリアでは、一軒火事になれば火が広がってしまいますから、それで台東区と話して、道幅を広げたんですね。自然災害の多い日本で、何かあった時のためにできる限りの努力はしたいと思っています。一人では無理でも、地域の行政とタイアップして防災強化をすれば地域にも貢献できますし、それがこのお寺を守ることにも繋がっていくと考えています。
Q:谷中樹陵 久遠を開くに至った経緯を教えてください。
「谷中樹陵 久遠」は2016年に開園しましたが、色々なお檀家さんとお話しをして、お寺に対するニーズというのは何なのかと考えた時に、ただ供養をするだけでは駄目なんだと実感したからです。 長いお付き合いの中で、一軒一軒お家の事情というのは変わります。例えばお嬢さんしかいない、お墓を承継するお子さんがいない——先祖代々のお墓というのは限界なんだと感じました。そういった事情をお持ちの方々のために何かできないかと考えたのが始まりです。 今はいろんな形態のお墓がありますが、樹木葬を選んだ理由としては、お参りする人が自然の中で感じる五感を大切にしたいというのが一つ。 もう一つは先程もお話ししたことと重なるのですが、長明寺の特徴として、山手線の内側でこれだけの木々を抱えた規模のお寺はあまりないと思うんですね。このお寺にはお庭があるんですが、その延長のような、お庭のように感じられるお墓をひらかれたら良いなという思いがあったんです。大きなタブの木もありますし、豊かな緑を感じていただきたいですね。
長明寺樹木葬
Q:これから谷中樹陵 久遠の購入を検討される方へメッセージはありますか?
これまでお寺と縁がなかった方、またはお寺との付き合い方が難しいと感じていた方たちと、新たにご縁を結ぶ場所が「谷中樹陵 久遠」だと思っています。 お墓というのは大切な人が最後に眠る場所。供養というのは難しいことではなく、心の中でもお墓参りでも、亡き人を思い返して会うことだと思います。それが供養の原点なのではないでしょうか。自分の大切な人に会いに行くこと、それを大切にしていただきたいという願いがあります。 そのために、長明寺は境内を綺麗に清めてお待ちしています。訪れた時に何か受け取ってもらえるような環境を常に整えておきたい、そう思っています。
交通案内
長明寺 谷中樹陵 久遠®
〒110-0001 東京都台東区谷中5丁目10-10
- 電車でお越しの場合
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- JR山手線・京浜東北線・常磐線、京成本線、「日暮里駅」北改札西口側徒歩5分
- 東京メトロ千代田線 「千駄木駅」2番出口より徒歩5分
- お車でお越しの方
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- 駐車場完備 ※お寺の前面は一方通行のため、お車では谷中小学校方面からお越しください。