樹木葬とは?
樹木葬は「自然に還ること」をイメージできるお墓
樹木葬とは、これまでの石造りのお墓とは異なり、「自然に還る」イメージのお墓のことを言います。これまでのお墓はどちらかと言うと「家」単位のお墓でした。先祖代々、同じ墓地区画に骨壷で納められており、子孫はそれを守り継ぐもの、とされてきました。しかし、近年の核家族化などによって、「個人」単位の意識が高まったことで、従来のタイプのお墓の価値観になじめない方も増えてきました。より自然に近いもの「自然志向」を望む人も増えています。そういった方々のニーズを満たすために、近年、選択肢の一つとして、「樹木葬」が提案され、人気を博しています。
樹木葬のタイプ
樹木葬は、そのタイプによって、大きく「里山型」「庭園型」「共同埋葬型」の3つに分けることができます。
里山型とは、その名の通り、里山の一角を仕切って墓地とし、そこにお骨を埋めて自然に還すタイプのお墓です。墓標なども設けないケースも多く、まさに手つかずの森といった景観です。
メリットは直接的に自然に還ることがイメージできること。一方、デメリットは、どうしても都市部など人が住んでいる地域からは遠くて、お参りに行きづらい場所になってしまうという点が挙げられます。
庭園型とは、人工的に造成した庭のような空間にお骨を葬るスタイルです。そのまま土に還るタイプもあれば、一定期間(没後12年など)個別に土中に骨壷で安置したあと、合葬墓に移すという形をとるところもあります。
メリットは、都市部など便利な場所に作れることです。デメリットは、樹木葬と称するも従来の永代供養墓とほとんど違いの見られない霊園も少なくないこと。名称が一人歩きしていることは、樹木葬の悪い部分です。
共同埋葬型は、大きな芝生などの広場にシンボルツリーなどを配した形式のものです。ご遺骨は芝生などの下に埋葬し、自然に還します。公営墓地などでよく見られるタイプです。
メリットは、一人あたりの単価が安く抑えられることです。デメリットは、個別の墓標がないのでどこに埋葬されているのかよくわからないと感じる人もいることです。
人気の樹木葬のタイプ
樹木葬には様々なタイプがあります。その中でも人気のタイプはどんなものでしょうか?弊社スタッフの経験から、お客様の人気順にご紹介したいと思います。
1位 ご夫婦タイプ
ご夫婦2人で利用するタイプです。ご伴侶を亡くされた方も、まだおふたりともご健在の方も、よく見学にいらっしゃいます。
2位 ご家族タイプ
ご家族4人程度で入れるタイプです。「両親と、子どものいない私たち夫婦で」とか、「子どもたちは別でお墓を持つので、両親と私たち夫婦で」といった選ばれ方が多く見うけられます。
3位 お一人タイプ
単身の方が生前にご自身のお墓を探される場合、お一人でも入ることができるということでお選びになられます。お花が好きだった方が、自分らしくあり続けるためにお求めになるケースも少なくありません。
4位 合葬タイプ
ご遺骨を一つの場所にまとめてお納めするタイプのお墓です。骨壷からご遺骨を出して他の方のご遺骨と同じ場所に納めますので、合葬した後、個別に取り出すことはできません。
番外 ペットと一緒に入れる区画
故人のご遺骨とペットを同じ区画に納めるタイプです。ペットも人間の家族同様に大切な命。火葬後の焼骨を一緒に納める形も増えてきました。
樹木葬に使われる樹木について
樹木葬にはさまざまなタイプがあり、必ず使わなければならないという樹木はありません。広く使われる樹木としては次のようなものがあります。
サクラ
日本で最も多くの人に愛され、樹木葬と聞いてイメージしやすいのがサクラの木です。春には花が咲き、それが散っていくので樹木葬のイメージに合うのかもしれません。
クスノキ
姿形がどっしりとしており、また常緑樹として1年中同じ姿であることから、シンボルツリーとして使われます。神社などには樹齢の古い巨大なものもあります。
ケヤキ
クスノキと同じく姿形がどっしりとしています。落葉樹なので、季節の流れを感じることができます。
ボダイジュ
高さが10mほどまでになる中国原産の落葉樹です。お釈迦様がボダイジュの下で悟りを開いたとされることから、樹木葬のシンボルツリーとしてつかわれることがあります。
ヤマツツジ
日本全国どこにでも見られる育成のしやすい低木です。毎年4月〜5月頃に花をつけます。
バラ
洋風のガーデニングタイプのお墓でよく使われるのがバラです。園芸種では四季咲きのものもあり花のシーズンが長いことが特徴です。